ちょっと心象的構図です  私は知っている。

 なぜなら、この私こそが心を蝕む静寂の虜となっていたのだから。
  あの漆黒の深淵に・・・

  おまえが現れて、私をあの虚無の世界から救い出してくれるまで、
 私は生きていながら、実は生きていなかった。
  喜びも、悲しさも知らなかった。時はただ流れていくだけだった。
  おまえは、わかってこの歌を歌っているのではないのか?
  おまえがいなければ、私はあのまま、
 静寂に心を明け渡して生きていたのだろう。
  いつだっておまえがいてくれる。振り返ればかならず。
  そのことがどれほど私の心を明るくしてくれるか、おまえは知らない。

 それでいいのだ。

  おまえに心を蝕む静寂は相応しくない。


 なのに、何故こんなに心が痛いのだろう。
 そんなに明るい声で、こんなに楽しそうに歌わないでくれ。
 私の心が、毀れてしまいそうだ・・・