難波の恋の物語
ご近所へちょっと3


恋は… 丸善心斎橋店の当時そのままの姿は資料が見つけられなかったのでわからないのですが、 ビルは結構古かったので一応そのイメージです。ただ、大阪のあのあたり一帯は、大阪大空襲でほとんど 焼けてしまったところで、緒方洪庵の適塾など、運良く残った古い建物もあるのですが、たいていは戦後のものです。 丸善心斎橋店は、位置的には大阪のメインストリート御堂筋よりひとつ東側の心斎橋筋に沿って、本町と心斎橋の間 くらいにあります。まさしく船場の問屋街の真ん中という感じの場所です。
心斎橋あたりは実は当時、出版や書籍の街として知られ、文化情報発信の地でもあったそうです。数年前に倒産した 駸々堂もそのひとつでした。戦後、紀伊国屋を始めとした大型店が大阪のキタへ移っていったことなどもあって 出版・書籍の街のイメージは薄れていき、丸善が最後のその面影を残す店でした。現在はそごう心斎橋本店に 入っています。

で、京都河原町店も2005年10月に閉店してしまいました。こちらはあの梶井基次郎の小説『檸檬』 にも登場することで有名な店だったのですが。閉店が決まってからはレモンを置いていくお客もいたとか。