文:かろりーね様 絵:カオル
長い一日が終わった。
アランたちがアベイ牢獄から戻ってきた。
ここ数日、お前はろくに眠ることもせず、アランたち第一班12名を救うために
奔走していた。
俺はそんなおまえの傍らで、ただ見守ってやることしか、出来なかった。
この細い肩に、今まで、どれほどの重圧を受けていたのだろう。
今まで、おまえの傍近くにいたというのに、改めて、その重責に圧倒されそうになる。
おまえは、“自分は無力だ”と言った。
だが、俺はそうは思わない。
誰しも、一人の力というものは、限られているものだ。
その人物に携わる人々の力とひとつになり、大きな流れを生み出すものだと思っている。
今日のこの出来事にせよ、お前がひとつの流れを作り出し、
それにベルナール、さらに民衆が共鳴したから、生まれた結果なのだ。
おまえは、何も案ずることなく、真っ直ぐ前を向き、お前の信じる道を突き進んでほしい。
俺は、これからもずっと、おまえを守り、共に歩んでいくよ。
だから、安心おし。
せめてこのひと時、おまえに心地よい眠りが訪れるように、俺はこうして、おまえを
抱いていよう。
〜FIN〜