〜考えているのは…〜〜オスカル編〜

文:かろりーね様    絵:カオル


オスカル お前に名を呼ばれたような気がして、ふと振り返る。
だが、私の傍らには、誰もいない。
いつもならお前がいるはずのその場所には、ただ風が佇んでいるだけ…。

自分からお前を遠ざけておいたくせに…。
結局、このありさま…。

いつだって、そうだ。
私は自分の都合の良い時にしか、
お前と向き合っていなかったような気がする。


いったい、何時からだろう…。
お前の腕に抱かれ、悲しみの刻印を刻まれた時から…?
あの時私が流した涙は、お前の悲しみ…。
それを感じてしまったからなのか…。

ずっと幼子のようにお前と戯れていられたら…。
何度、そう思っただろう。

野を駆け、澄んだ泉に姿を映し、互いの存在だけが唯一絶対のものだと信じていられたあの頃。
お前と共にすごした、輝かしい日々。
アンドレ…。
世界中でたった一人、私だけが取り残されてしまったような、この感覚。
お前の姿が見えないだけで、こんなにも脆くなってしまう私…。

アンドレ…。
気が付けば、お前のことばかりに想いが巡る。
この想いを、お前にどう伝えたらいいのだろう…。
わからない…。ほんとうに、わからない…。

だた…。
私の傍にいてほしい…。
それだけでは、だめなのだろうか…。



〜FIN〜





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アンドレ






〜あとがき〜

拙作「考えているのは…」に素敵なストーリーをつけてくださったかろりーね様が、
そこに挿入したオスカルの表情、左眼に魅せられた、ということでなんと!オスカルバージョンを
書いて下さいました!!!
どうしてそんなにすぐにこんな文が書けるのか、私にとっては謎&驚愕&感動です。
かろりーね様、本当にありがとうございました!!!